「天国じゃあ、みんなが海の話をするんだぜ」
1997年の確かドイツ映画だったと思う
近くの映画館でリバイバル上映をしているという情報を見て久々に思い出してみる
この映画との出会いは高校2年生の頃
レンタルビデオやで当時3本で1000円のセット料金のため、目的の作品とそれ以外の作品を見つけようと店中のパッケージ裏を見て回っていた時の事
お小遣いで借りられるのはせいぜい月に1回
必死に品定めをしていた
そんな中、珍しく表のパッケージとタイトルに惹かれて借りたのがこの作品、ノッキン・オン・ヘブンズドアだった、つまりジャケ借りである
しかしながら、私はこの作品の虜になってしまったのだ
タイトルに惹かれたといったが、当時の私はボブディランの歌とは知らずに借りて鑑賞後に知った
知っていたら借りなかったかもしれないと思うとそれもまた運命なのかもしれないと思う
この作品の魅力はやはりカッコ良さではないだろうか
カッコ良さというと そうか?っていう人も沢山いると思う
なぜなら「バッファロー'66」などスタイリッシュでカッコいい映画がちょうど流行っていたからだ
ではこの作品のカッコ良さとは何かというと
この映画は基本的にコメディ要素の強いドタバタアクションロードムービーで、主人公2人が必死でカッコつけようとするけど、やることなすこと全て裏目に出てカッコ悪いというのがこの映画の面白さとなっている
ところが、2人が必死になる理由や目的を観客はあらかじめ提示されてるがゆえに、全力でカッコ悪い姿のはずが、純粋にカッコよく見えてくるという不思議な効果が出てくるのである
しかもコメディ要素が結構あるので、観客も2人の姿を見て終始笑って見ていることになる
そしてラスト2人を笑っていた私たちは気付かされる
この2人ほどカッコ良い人間はいないんじゃないかと
エンディングで流れるボブディラン
タイトルを引用するくらいだから合わないわけがない
むしろこの曲に向かって作品が進んでいたと言っても過言ではないくらい
映画の素晴らしさを教えてくれる名作だと思う
この作品との出会いに感謝します
ノッキン・オン・ヘブンズドア
評価10/10